小児歯科
当院は、お子さまに歯医者嫌いになって頂きたくないという考えの基、日々の小児歯科診療を行っております。
親御さまにはご負担かも知れませんが、多少時間を掛けてでも、本当にお子さまのことを思うならお子さまが嫌がらず自ら喜んで治療を受けて頂くに越したことはありません。当院ではこのための独自の体制を取っています。
お子さまへの様々なアプローチをおこなう結果、多くのお子さまは最初泣いていても最後には泣かずに「えがお」で帰っていかれます。
子どもの頃の嫌な記憶は終生残ります。したがって、一度歯科が嫌いになってしまうと、大人になっても歯科医院は行きたくない場所、嫌いな場所としていつまでも記憶されることになります。
当院ではそのような不幸な経験をされる方を無くしていきたいと考え、歯医者嫌いにさせない診療を開業以来一貫して行っており、当院にはその20年間蓄積してきたノウハウがあります。
当院では泣いたままでは帰さないという鉄則があります。
泣いたまま帰られたお子さまは、心の中で歯科医院が怖い場所、嫌いな場所として認識されることで、次回来院される時には必ずと言っていいほど、心の状態が治療に対し後ろ向きになってしまい、処置がますます困難になっていくという悪循環に陥ってしまいます。したがって、当院では治療終了時にはできる限り泣いた状態では帰さないようにしています。
当院では泣いているお子さまを叱るのではなく、その中から少しでも頑張ったことを認めてあげてほめるようにしております。そうすることでお子さまの心は徐々に治療に対し前向きになっていき、最後は「えがお」で診療室を後にされます。このようにお子さまがプラスの心の状態で帰られるのとマイナスの心の状態で帰られるのとでは次回以降のお子さまの心の状態に大きな差が出てきます。帰るときに「プラスの心の状態」を毎回積み重ねていくこと、すなわち「こどもの心に貯金をして帰す」アプローチによって、お子さまはどんどん治療が楽しくなっていきます。最後まで貯金が上手くいったお子さまは必ずと言っていいほど「歯医者に行くのが楽しみ!歯医者に行く日が早く来ないかな!」と自分から言い出されます。
小児が泣くという行為にもそれだけの理由があり、なぜ泣いているのか注意深く観察し、「泣きの診断」をすることがとても重要です。
通常、3歳以上の小児で歯科治療時に泣く場合は次のことが考えられます。
①痛い
がまんできないほど痛くて泣いている場合は、何よりもお子さまの痛みを取り除いてあげるための救急処置を行うことが最優先となります。救急処置を行うためには完全に麻酔を効かせ無痛にする必要がありますが、従来の麻酔は注射する際に強い痛みを感じることがほとんどでした。当院ではあえて「痛みを感じない麻酔」をするためのさまざまな配慮を行っています。
②恐怖・不安
怖がって泣いている場合は、優しい言葉がけや態度や手鏡を見せ説明をしながら行う(tell・show・do法)を用いたりして、恐怖心を取る工夫をしています。
※tell・show・do法・・・治療の前にお子さまに鏡を持って頂き、悪い部分を治すことを告げながら、その部分を見せた上でその治療を開始します。そして痛いもの、嫌いなもの、悪いものはこのむし歯のバイ菌であることをお子さまに伝えることで、歯科医師はこの悪い虫を退治するお子さまの味方であることを理解して頂く当院オリジナルの小児歯科治療の方法です。
③甘え泣き
甘え泣きの場合は、痛くもない、怖くもないが、ただ自分を表現する方法(自己顕示の泣き)の一つとして自分のことをかまってくれる人(通常母親が多い)に対してオーバーに泣いて、母親や術者・助手を混乱させます。
この泣きの理由は乳児期から幼児期前半は小児にとっての母親は自分の世界の全てであり、泣けば受容され、許されるという母子関係の発達と関係があります。しかし、これは保育所、幼稚園などで友達との関係や集団生活の中で許されないこと、我慢しなくてはならないことなどを理解していく中で減少していきます。時には甘えを許さない強い態度が必要とされる場合もあります。
無理やり押さえつけて治療することは避けております。一度でもお子さまが治療に対して嫌なイメージを持たれたら、それを消し去ることはとても難しくなります。あくまでも急ぐことなく、お子さまに無理のないペースを保ちながらさまざまないろいろなアプローチを粘り強く重ねることにより、お子さまが少しずつ前向きに変化していく方法を取りながらお子さまの協力度合いに応じた診療を進めていきます。
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子どもにうそをついて連れて行くママ(パパ)は多いようで、「日本小児歯科学会」でも、「なるべく嘘をついて連れてこないようにして下さい。かえって嫌がる原因になります。」とアナウンスしているほどです。「今日は見るだけ」「絶対に痛くないから」と子どもを歯医者に連れて行くために、うそを言った場合、子どもは「だまされた」と思ってしまいます。そうなると、歯医者やママ、パパが信頼できなくなり、「歯医者に行きたくない」と思ってしまいます。
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子どもが悪いことをしたとき、わがままを言ったときに「歯医者さんに連れて行くよ!」と言って叱ったりしないようにしましょう。子どもは「歯医者さんは怖いことをする場所」として認識するようになってしまいます。
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3~5才くらいになると、子どもの生活ペースというものができてくるものです。「昼寝の時間を避ける」「午前中に連れて行く」「空腹の時は避ける」といった、子どもの生活ペースに沿って連れて行きましょう。「日本小児歯科学会」では、午前中に連れて行くことを推奨しています。
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子どもが治療をするときには、ママ(パパ)が、ゆったりと構えておくことが、子どもの緊張を和らげることにつながります。「歯の治療なんて全然平気」という心持ちでいてあげてください。
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何も話しておかずに、いきなり歯科医院に行くと子供はびっくりしてしまいます。
当日の朝や前日に歯科に行く予定があることを伝えておきましょう。 -
たとえお子さまが泣いて治療ができなくても、決して叱ったりしないであげてください。自信をなくし、歯医者さんにマイナスイメージがついてしまいます。優しく励ましてあげれば、お子さまも「次はがんばろう」と思ってくれるかもしれません。
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基本的にはむし歯や歯ぐきの病気など大人と同じです。
ただ、次の点で大人と異なります。①大人の歯(永久歯)と異なり、子供の歯(乳歯)はいずれ生え変わります。
②大人と異なり、歯の治療に対するお子さまの理解度が年齢によって異なるため、お子さまの理解度に応じたさまざまな工夫が必要です。当院には20年の経験からそのノウハウを蓄積しております。
③お子さまの場合は保護者の方のご理解とご協力をいただきながら治療を進めることが必要になります。
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また、治療手法も大人の治療と異なるいくつかの点があります。
①少しずつ慣れていただくため、本格的な治療をするまでにいくつかのステップを踏む必要があります。
しかもお子さまの理解度と協力度に応じてそのステップは変わってきます。
最新の小児歯科では最初からいきなり歯を削ったりせず、まずブラッシング指導をしたり、むし歯に薬を塗るだけの簡単な処置をしたりしてお子さまの心の準備ができてから本格的な治療を始めます。
②虫歯になったからといって虫歯を全部削るとは限りません。特に乳歯の虫歯についてはお子さまの協力度によっては無理に削らず、塗り薬で進行を抑制し、永久歯に生え変わるまで経過観察することもあります。
(もちろん協力的なお子さまは乳歯でも完治するまで治療します。)
京都市では京都市フッ化物歯面塗布事業があり、指定医療機関でのフッ素塗布が1回分無料で受けられます。お子さまのむし歯予防のため,積極的に受診しましょう。
(当院は指定医療機関です)
受診の際には母子健康手帳に添付されている「京都市フッ化物歯面塗布受診票」を御持参ください。
- ○対象者
- 受診時に京都市内にお住まいの2~3歳児
(満2歳のお誕生日から4歳のお誕生日の前日まで) - ○費用
- 1回分のみ無料(平成29年3月31日受診分まで予定)
- ○受診票について
- 受診票は京都市母子健康手帳に添付されています。
京都市外の母子健康手帳をお持ちの方は,お住まいの地域の保健センター・支所にお問い合わせください。