予防歯科
昔からある従来の歯科治療では「痛くなったら仕方なしに歯医者に行く」という考えでした。
このように「痛くなった時だけ歯医者に行く」ことを続けていくと、年を取るほど歯がなくなっていき、高齢になるとほとんどの歯を入れ歯で補わないといけないというのがあたりまえの時代でした。
一方、かなり前から定期的な予防ケアが普及していた欧米では「痛くなくても定期的に歯医者に通う」事により、80歳でほとんどの歯を失わず自分自身の歯で食事をするのがあたりまえとなっていました。
日本でも近年になって「痛くなくても定期的に予防ケアに通う」ことが普及し始めています。このことにより「一生自分の歯で食べられる時代」「いくつになっても食事がおいしく楽しめる時代」がやって来ました。
治療が終了した時点ではすべての歯の治療が終わられた今のお口の状態が、一番良い状態になっています。
しかし、日々のお手入れが今までと同じなら、また悪くなっては治療をするといった終わりのない繰り返しのスタートにすぎません。
1度治療した歯をまた治療しなくていいようにしたいな、とお思いの方は、予防歯科の先進国でのデータをご覧下さい。
日本 | 約12本 80歳時の平均残存歯数(厚生労働省調べ) |
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アメリカ | 15.8本 80歳時の平均残存歯数(サンスター調べ) |
スウェーデン | 19.5本 80歳時の平均残存歯数(サンスター調べ) |
スウェーデンでは20年以上前から歯の定期健診を国民に義務づけてきた結果(最低3ヶ月に1度は歯の定期健診を受けるという義務です)、80歳で平均19.5本の歯が残っているという驚くべき成果が表れています。(義歯をいれる人は全人口のわずか1.7%です)
一方、日本では痛くなった時に歯科医院に通うというスタイルの結果、80歳でわずか約12本の歯が残っているのが現状です。約7~8本ほどの差が出ています。
その差はお口の定期健診を受けているかどうかの、差なのです。
日本でも、定期健診を受けている方と治療だけを受けている方では、残存歯数に差がついています。
- つめ物やかぶせ物のかみ合わせのチェック
- 歯垢、歯石の除去
- むし歯や歯石の有無のチェック
- 歯ミガキ指導
- 磨き残しのチェック
- 歯や歯ぐきの病気が無いかどうか、レントゲンでチェック(年1回)
- 歯ぐきの状態のチェック
ご高齢の方のお口の中に何本の歯が残っているのかご高齢の方がどんな状態で入れ歯を入れておられるのかとその方たちの生活ぶりを調査したのが以下のグラフです。
これらのグラフをご覧頂くと、「痛くなくても歯科医院に定期検診に通う」ことが「いくつになってもどこへでも出かけられる」充実した人生につながっていることをご理解頂けると思います。
むし歯の治療が終了したとしても、メインテナンス(定期健診)は重要です。日々の歯の状態確認やクリーニングは歯の健康の永続性を保つことに繋がります。
定期検診をせず放っておくことで、悪くなってから仕方なしに歯科医院に行き、治療と再発をくり返すという悪循環に陥ると、最悪の場合、修復不可能となり抜歯しなければいけなくなります。
一方、あなた御自身による日々の正しい歯磨きをきちんとした上で、「痛くなくても」歯科医院に定期的にお越し頂きメインテナンスを受けて頂くことにより、そのリスクを未然に防げます。当院では、プロの専用器具を用いて、歯のクリーニングを行います。痛みがなく、気持ちいいメインテナンスケアをおこなっています。